グラタン日記

愚かな民です

新入社員を励ましたい

新しい社会人を励ましたいので、先輩風を吹かすことをどうか許してほしい。

 

入社してそろそろ1年が経とうとする頃、だいたいの仕事の流れを掴んできて、仕事は出来なくちゃいけないものだと錯覚するようになる。しかし自分の能力が追いつかず、なぜ自分はこんなにも出来ないのかと悩むことも多いかと思う。

かくいう私も入社して数ヶ月経った頃うまく出来なくてよく悔しくて泣いていた気がする。それは無駄ではない。ちゃんと向き合おうとしている証拠だから素晴らしいことだと思う。

 

ただ、あまり落ち込まないで良いんだよ、と先輩は思う。完全に開き直って覚える気力も感じられないのは大変困るけど、一生懸命に取り組んでいる様子は伝わっているはずだ。

 

失敗は常につきものだと思う。

ベースになっている流れや、最悪の事態がどういうことなのかは心に刻んで欲しいけど、入社して数年は怒られながらも主に失敗をどう修正するかを学ぶ時期であるし、逆に失敗のオンパレードが許されるボーナスタイムだと思うのでたくさん失敗して、失敗したらどうすれば良いのかをたくさん学んで欲しい。新人の可愛いミスくらい補えての先輩っしょ。

そのうちに怒っていた人のサポートも出来るようになって、頼られていくものだと思うし、この場合はこうする、というのが分かっているのは何よりも頼もしい。怒られたら誠心誠意謝って、反省はして、次に活かせるようにメモでも貼って、それだけ覚えて怒られた悲しみは忘れちゃお。

 

そして、なぜ最悪の事態がなんなのかを心に刻むかと言うと、それさえ避ければどうにかなる場合が多いからだ。

小さいミスは多いけど大きなミスは不思議としないよね。わざと選んでミスしてる?なんて聞かれたこともあるけれど、とりあえず挽回出来ればこちらのもの。失敗なんて無かった。

 

さらに、失敗の元になりそうな“違和感”にも気づきやすくなる。違和感を感じたらぜひ大事になる前に忙しそうでも先輩に声をかけて欲しい。短気な人は怒ってくるかも知れないが、今は失敗ボーナスタイム。

肉を切らせて骨を断つ。小さな怒られで済ませて大きな怒られを防ぐのも戦法のひとつ。理不尽な相手にも怒られ慣れてくると方法として使うこともある。

 

私は仕事に関してだけは立ち直りが早い気がする。それは始めからそうだった訳ではない。

入りたては常に怯えていたし、電話を取る時は手が震えていた。でも、やらなきゃ仕事にならないのならば、腹をくくるしかない。

 

誤解も理不尽もたくさんあって、怒られて、鋼の心かも〜と思ってもまたやられて、その繰り返し。でもその方がなんか生きてるって感じがするし一生懸命やっている気になる。怒ってくる側の精神論は嫌いだけど、受け止め方次第で心が少しでも軽くなるのなら。

生きているとだいたい苦しい。自分が必要とされていないんじゃないかとか、自分は駄目な人間なんだとか、一度思ってしまって溝に落ちていくと立ち上がるのにしばらくかかる。

 

あいさつは大きな声で、ごめんなさいとありがとうは意識して、指摘されたら逆ギレはしないで、自分の任されていることを粛々とやって、終わり。

それ以上の人格否定だとか、悲しいことを言われたらそれはもう業務外。知らんがな。適当に謝って適当に笑って受理はしない。より良い働きはしたいし、認められたいし、頑張りたい。でも追いつけないならまだ伸びしろってだけ。人には人のペースがあるし“使える”って言葉は単にその人にとって“都合が良い”と言うだけでたいていはテレパシーレベルのわがままな要求だったりする。

 

それでも苦しくなったら、自分はお金のためだけに働いているんだ、と思う。そこには人間関係も何もかも関係がない。ただ行ってなんかやって帰ってくることだけを繰り返し、給料日という目標のみを見つめる。そのお金で何をしよう、何を買おう。物質を得るための仕事なのだから奮発してしまおう。それだけを考えた。

 

働いていると、よくもまあいろんなことが起きる。こんなに先輩風を吹かせている私でも、例えば転職をしたり、何かがあってまた一から働かなくてはいけなくなる時もあるかもしれない。持論も環境によってだから、今までの価値観が一切効かなくなってしまうかもしれない。

 

そしたら。まあどうにかなるって!と、今度は励まして欲しい。どこかの壁の落書き程度に、なんとなく誰かの心が軽くなることを祈って。